看板



2018年も春になりました。
年度末だからいろいろ払込みコンビニでやっとかないと…
普通にそんな事を口にする昨今。
昔は公共料金は銀行か郵便局でなきゃダメだったのに、
すっかりコンビニ払込みが常態化。
というわけで、今回はそんなコンビニの話題。



在りし日のコンビニの噺



うだうだ子ちゃん。1970年代に誕生し、1980年代に一気に普及した
「コンビニエンスストア」という店舗形態。
24時間(黎明期は違うけど)年中無休
&日本全国で展開し、欲しいものはとりあえず揃うという、
販売形態の新しい形として、あっという間に日本に根付いたコンビニ。
三強体制が固まりつつある昨今ですが、
「あれ?昔良くCMとかで耳にしたコンビニ、
最近聞かないなぁ」という思いを
持たれる紳士淑女の方々も多いでしょう。
そう、結構なコンビニチェーンが生まれては消え、
あるいは強者に取り込まれて消滅してたりと、
まさに弱肉強食のサバイバル業界。
「ああ、あんな店があったっけ」という想いを巡らせながら、
今はもう見ない、あるいは近々見れなくなりそうな
コンビニブランドを10店舗、振り返って見ましょう。






ココストアココストア


1971年に愛知県春日井市にて産声を上げた店で、
諸説あるものの、「日本のコンビニエンス発祥の店」
とも言われています。
元々はスーパーに客を奪われつつあった取引先の酒屋を
救済することを命題として設立された店であり、
故にココストアは店内に酒類を必ず陳列するようになっていました。
関西や九州にも出店網を拡げ、1992年には500店舗を達成。
2001年から他のコンビニを吸収合併・拡大化を図るようになり、
エブリワン・ホットスパーなどを次々吸収合併。
2010年にはミニストップとの業務提携を締結します。が、
大手三社コンビニの牙城を崩す事は出来ず、2015年には
ミニストップとの提携は解消。
同年12月にファミリーマートに吸収合併され、
法人は解散。店舗は順次ファミリーマートに
転換されていく事になりました。
(一部の店舗はココストアの名称のまま営業継続するとの報道もあり)








サンエブリーサンエブリー


1977年に山崎製パンが出資し設立したコンビニチェーン。
山崎製パン傘下のコンビニと言えば「ヤマザキデイリーストア」が
ありますが、サンエブリーよりも遅い
1978年の設立でした。故に当時山崎は社内に
2つのコンビニチェーンを保有していたという事になります。
店名の由来は(SUN「太陽」EVERY「すべての」)という
事らしいのですが、具体的な意味は不明。
20年近くヤマザキデイリーストアと混在する形で
経営継続していましたが、
1999年に「デイリーヤマザキ」に統合・統一化。
それと同時にブランド名は消滅しました。







エブリワンエブリワン



1994年に九州の百貨店「壽屋」が新たに
株式会社コトブキヤ・コンビニエンスシステムズを設立し
事業を開始したコンビニ。
しかし既に大手のコンビニチェーンが拡大していく中にあって
厳しい戦いを強いられ、2001年6月には
ココストアが運営元のコトブキヤ・
コンビニエンスシステムズの株式を取得。
2002年には親会社の壽屋が倒産。
2006年6月にココストアに吸収合併され、
エブリワン店舗はそれぞれ「ココストアウエスト」の店舗として
営業形態を変更。ブランドは消滅しました。







ブルマートブルマート


1980年代に雪印乳業が出資して出来たコンビニチェーン。
元々、宅配牛乳の利用減少に伴って経営が苦しくなった牛乳販売店を
救済するために生まれたコンビニで、
故に元・牛乳販売店という店舗が多いのも特徴。
その出自ゆえに陳列商品は
雪印商品が多かったと言います。が、
元来の牛乳販売店の改装でコンビニ化となると、
販売面積が他に比べて小さく、
また弁当など、コンビニで客の求める商品が弱いなど弱点が次々露呈。
結果、当初の目的だった宅配牛乳販売店救済とはいかず
(実際ブルマートに鞍替えした販売店舗は全体の一割程度)、
1994年にエーエム・ピーエム・ジャパンが全株式を拾得。
順次ブルマート店舗はampmへと改装されていき、
ブランドは消滅しました。











ampm


ampm
1978年にアメリカのカリフォルニアで、ガソリンスタンドの
売上を伸ばすために生まれたスタンド併設店。
店名の由来は「午前」も「午後」も24時間営業中、
という意から来ています。
日本では、1990年に設立された
エーエム・ピーエム・ジャパンによって
コンビニ事業を開始。首都圏を中心に勢力を拡大していきます。
まだ若手だったダウンタウンをCMに起用したり、
弁当やデリカに力を入れたりと、他店舗との差別化を図っていました。
が、2007年に運営元が債務超過に陥った事で売却先を検討。
2009年にローソンHDが買収することで
一旦は合意したものの、親会社の米国企業との合意には至らず白紙。
その後、ファミリーマートの経営母体と株主の伊藤忠商事が
買収の交渉にあたり、2010年に交渉成立。
結果、エーエム・ピーエム・ジャパンは法人を解散し、
各店舗は順次ファミリーマートへと改装され、
2011年12月、日本のampmは消滅しました。(本場米国は存続)






ニコマートニコマート


1980年4月に設立された
株式会社ニコマートが母体のチェーン店。
同年6月に東京都江東区に1号店をオープンさせ、
以降関東の中堅コンビニチェーンとして名を馳せ、
1985年には大手スーパー・長崎屋と業務提携を結び、
1990年には台湾に進出し店舗を増やし、
1992年には468店舗まで業務を拡大していました。
しかし長崎屋との提携解消後、急激に業績が悪化し、
1993年6月に450億の債務を残して倒産。
日本で初めて経営破たんしたコンビニチェーンとして
当時報じられました。
台湾の店舗は倒産後も営業を続けていましたが、
それらも2007年をもって
全家便利商店(ファミリーマート)へと鞍替え。
これによりニコマートは完全消滅しました。







ホットスパーホットスパー


元々は1977年に、生鮮食料品などを扱う
小型のスーパーマーケットとして生まれた
「全日本スパーグループ」がはじまり。
北陸のスパーグループが日本海酒販と共に
「北陸ホットスパー」を設立し、
これがコンビニに近い業務形態だったことから、
以降コンビニ形態のスパーは「ホットスパー」と呼称されるようになり、
1986年から本格的なコンビニ事業を展開していきます。
しかし1990年代後半から赤字が続き、
営業譲渡や閉店・他店舗鞍替えや
撤退などが相次ぎ、迷走の再編が続きます。
2001年4月にはココストアが運営元のホットスパーコンビニエンス
ネットワークスの株式を取得し、2006年に吸収合併。
それに伴いホットスパー各店舗はココストアへと営業形態を変更し、
ブランド名は消滅しました。














サンチェーンサンチェーン


キャバレーハワイなどを経営していた
トライアル・ベンチャー・ビジネス社が1970年代後半、
コンビニ事業に参戦し生まれた店。
一時期は関西のコンビニの大手ローソンとも業務提携し、
商品の共同開発も行っていました。
その後、1989年にローソンと対等合併。
その後順次サンチェーンはローソンに店舗変更され、
1996年にブランド消滅。
サンチェーンとの合併は、関西が主軸だった
ローソンが本格的に関東進出を果たす契機になりました。











SHOP9999


1996年にスーパーマーケットを運営していた
株式会社ベストが事業展開したコンビニ。
食品・日用品など、多くの商品が消費税抜99円、
税込104円で販売されていて、
百円ショップとしての側面も持つ店でした。
(新聞など一部は例外)
店内ではSHOP99のテーマソングが流れ、
そのCDも税抜き99円で発売されていました。

2007年にローソンと業務提携し、ローソングループに編入。
その後統合が計られ、2011年までにSHOP99全店舗は
ローソンもしくはローソン100へと鞍替えし、
ブランドは消滅しました。











セーブオンセーブオン


1983年に群馬県渋川市で事業を開始したコンビニチェーン。
群馬県だけでも160店舗を超える展開をしているため、
群馬県民には馴染み深いコンビニでした。
最盛期には関東・北陸・東北地方で約600店舗展開したことも。
ちなみに佐渡島にある唯一のコンビニはセーブオンだったそうです。

2012年以降ローソンへと店舗転換が進んでおり、
2018年には全店舗がローソンへと転換完了。
同年8月をもってブランド名は消滅しました。












このほかにも地方限定のコンビニも多々あって数え切れない店がありました。
サークルKサンクスも吸収合併でブランド名消滅とも聞きますし、
コンビニ業界はそうとう絞り込まれてきましたね。
すぐ生まれて、あっという間に消える。
それが21世紀型の店舗と言えばそれまでなんでしょうけど。

次回は何しようかな。
なんかやります。
ではでは。



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