3度目になりますが前置き無いとわからない人も多いと思うので。
この啓蒙CMについて説明させていただくと―
その昔、商品を売る以外の啓蒙目的CMというのが
頻繁に流れていた時期がありまして。
(1970〜80年代後半くらいまで。)
今ならAC(公共広告機構)が有名ですね。
あれも怖いCM多かったのですが、
群を抜いて怖かったのが
「放送番組センター」製作の啓蒙CMです。
U局(関西ならサンテレビ・びわこ放送・テレビ和歌山
などの、ネットに系列されてない独立局)なんかでは
本当によく流されていたものでして。
「自然を大切に」とか「食べ物を粗末にしない」「省エネしましょう」
みたいなヤツです。稚拙なアニメーションと、単純な音楽、
加えて洗練されてない演出ゆえ、アクの強い、怖い内容が多く、
当時見ていた子供たちに確実にトラウマを与えた恐怖のCMたち。
今回取り上げたのは放送番組センター制作とは違う?
配給テロップのない2本のアニメCM、
そして啓蒙CM史上最恐として知られる伝説の作品を記憶をまさぐりながら
3本分、再現してみました。
あとかたずけはキチンと…(1978年ごろ?)
タイトルはラストにテロップで出てきます。
CMは60秒の1バージョンのみ。
舞台が映る。
| |
画面右側より演奏家登場。 | |
正面を向き | |
礼。 | |
クラリネットを取り出し演奏開始。 | |
音楽が流れ出すと音符が実体化。下に落ちていく。
| |
演奏が続くと音符が降り積もっていく。 | |
山と積もった音符を横に演奏終了。 | |
舞台から降りる演奏家。 | |
箒と塵取を持って再登場。 | |
箒で音符を回収 (テープの逆回しのような音が流れる。) | |
回収終了と同時に画面フリーズ。 タイプ打ちで一文字ずつ 打ち出すように画面にテロップ。 | |
今回の3本の中では一番マトモな内容。
音符が実体化する、掃き取る際にテープの逆再生のような音が出るところなど、
シャレっ気も多く今見ても楽しいのではないでしょうか?
ほかの2本があまりに洗練されていないから、
余計にそう感じてしまうのかも知れません。
道路はよくみて歩きましょう(1977年ごろ?)
時間は60秒バージョンのみだったかと。
上記の演奏家CM同様製作配給のテロップが提示されていないため、
放送番組センターのCMではない可能性も。
BGM(jean-jacques perreyの 「le defile des moustiques」) にのってダチョウが歩く。
| |
メスのダチョウが前を行く。 | |
メスのダチョウにメロメロのダチョウ。 | |
余所見しながら歩くダチョウ。 前にはマンホール | |
ダチョウ、 うっかりして穴に足を落としてしまう。 | |
あ!とダチョウ、 自分の足がなくなったことに気づく。 | |
ダチョウ、ならばとばかりに 首をのばし…
| |
前を行くメスダチョウの 足をちぎり取り(!) | |
自分の体にくっつけて自分のものに。 | |
得意気なダチョウ。 | |
そのまま去っていくダチョウ。 | |
ダチョウの後を追っかけるように テロップが。
| |
いろんな意味で「昔の塩梅はざっくりだったんだなぁ」と遠い目で見てしまう内容。
なにしろ不注意で体の四肢を欠損してしまう上に、
代償にあろうことかさっきまでベタ惚れしてたメスダチョウの足をもぎ取って自分にくっつけて、
満足げに去っていくというラストは
いろんな意味で「まてまて」とツッコミ必至の映像です。
彼女に惚れていたのも関わらず、
彼女の四肢をもぎ取ってしまうというのは何が言いたい描写なのか?
さしずめ「これで彼女と一つになれた」ということなんでしょうか?
ラストの満足げな笑みはそう考えると空恐ろしいものを感じてしまうんですが…。
(それより、足を取られた彼女はいったいどうなったの?)
子供を交通事故から守りましょう(1970年代中〜後半)
公共広告史上1、2を争う恐怖CMとして多くの視聴者をふるえあがらせた伝説の一本。
そのあまりの恐さゆえか、オンエア回数は
他の公共広告に比べても少なかったと思われます。
私も2回しか見ていませんが強烈に記憶に残っています。
60秒パターンのCMと記憶しています。映像は入手不可だったので今回記憶をたどり再現画像をつくりました。
通学中の子供。(実写映像)
| |
出会いがしらに車が! | |
キキィー!という急ブレーキ音ととも にストップモーション。 画面がフリーズ。 | |
「ヒッヒッヒッヒッ…」 死神のような魔女が笑う イラストがインサート (ゆっくりズームインする) | |
場面変わって踏切前。
| |
踏切をくぐろうとする子供。 電車が突然! | |
カン、カン、カンという 警報器音が大きくなっていき 突然画面がフリーズ。 | |
「ヒッヒッヒッヒッ…」 再び死神のような魔女が 笑うイラストがインサート (ゆっくりズームインする) | |
3つめのシチュエーションは不明。 道路で遊ぶ子の映像だったと 思うのですが…
| |
先の例同様、画面がフリーズして… | |
「ヒッヒッヒッヒッ…」 死神のような魔女が 笑うイラストがインサート (ゆっくりズームインする | |
そのままテロップのみの画面 (黒バックに白テロップ、 音楽も流れない冷徹なもの) が表示。 数秒この画面が表示されて、 唐突に終了。 | |
このCMを見ると、
製作者は魔女と死神を混同してるようなフシが
見えるのですがまあ、35年ちかく昔の話ですしねぇ。
ただ、洗練されていないストレートな脅迫系CMだけに、
野太い怖さがあるのも事実。
今じゃこんなアク抜きも出来てないストレートな内容、
自主製作映画でも見れませんね。
故に今となっては貴重映像に他ならないのですが。
てなわけで、今回三本復刻してみました。
あと数本覚えてるものもあるんで、
反応あったら作ってみたいかも。
それでは次回。