看板


おひさしの更新。今回は1年以上昔にやって妙に反応のあった(ミクロな反応ですけど。)こちらの第二弾。
恐怖の啓蒙CMの記憶2



うだうだ子ちゃん。 また30代以下ほったらかしネタですが、前回同様
解らない人は「ああ、そんなのあったのね。」
程度で流していただいて。

今一度この啓蒙CMについて説明させていただくと―


その昔、商品を売る以外の啓蒙目的CMというのが
頻繁に流れていた時期がありまして。
(1970〜80年代後半くらいまで。)
今ならAC(公共広告機構)が有名ですね。
あれも怖いCM多かったのですが、
群を抜いて怖かったのが
「放送番組センター」製作の啓蒙CMです。
U局(関西ならサンテレビ・びわこ放送・テレビ和歌山
などの、ネットに系列されてない独立局)
なんかでは
本当によく流されていたものでして。
「自然を大切に」とか「食べ物を粗末にしない」「省エネしましょう」
みたいなヤツです。稚拙なアニメーションと、単純な音楽、
加えて洗練されてない演出ゆえ、アクの強い、怖い内容が多く、
当時見ていた子供たちに確実にトラウマを与えた恐怖のCMたち。
今回取り上げたのは連作モノです。
内容から第一次石油ショックの直後に作成されたものと思われます。
絵とかは多分微妙に違うと思いますが、
何せ30年昔の記憶をほじって作る物ですんで
多少の違いはご容赦を。
今回そんなカビの生えたような記憶の脳内テープを穿り出して
3本分、再現してみました。



もしもシリーズ・もしガスがなくなったら…?(1974〜5年ごろ?)

タイトルは文字通り冒頭にテロップで出てきます。
CMは60秒ですが短縮版30秒もあったかと。
以下の2本も同様です。

チャイムとともにコマーシャル開始。
さー、おいしそうな魚だ。
焼こうっと。
コンロをひねるも火が出ない。
困ったよ。
火が無いと焼けないよ。
何か火を起すもの…
何か燃えるものは…?
目に映るはマイホーム。
あったあった。
ちょっとくらいならいいや。
よーし、焼けるぞ焼ける〜。
魚を焼こう♪魚を焼こう♪
さーかなが焼けた♪さーかなが焼けた♪
うひょ〜。おいしそう♪
家にあった場所に帰ったが
そこに家は無い。
あれ?あれれれ?
ふぎゅぎゅぎゅぎゅ…。
ナレーション
「もしガスがなくなったら大変です。」
ガスを大事にしましょう。

強迫観念と極端な状況描写で訴えるのが
公共広告の常套手段。
このオヤジも魚焼くために家焼くという極端な行動に出て
「だからガスを大切に」と言いたいのだろうけど、
こんなバカなことするヤツは多分この日本にいない。





もしもシリーズ・もしガソリンがなくなったら…?(1974〜5年ごろ?)

時間は60秒バージョンのみだったかと。

チャイムとともにコマーシャル開始。
う〜ん、う〜ん。苦しそうな妊婦
病院ですか?もうすぐ産まれそうです!
救急車をお願いします!
救急車出動。
ガソリンが無い世界なので
人力で運ぶ。
「エッホ、エッホ」
うわあああああ〜。死にそうな妻。
早く!早く来てください〜。
「エッホ、エッホ」
ぎゃああああ〜!
早く〜!妻がっ、
妻がああああっ!
「エッホ、エッホ」
あああああああ〜!
家中に響く産声。
無事出産し落ち着いた妻。
授乳まで始めてる。
「エッホ、エッホ」
…多分今日中には着きません。
呆気にとられる旦那(なんで?)
ナレーション
「もし石油がなくなったら大変です。」
(ガソリンとは言わなかった記憶が。)
石油を大事にしましょう。

極端から雨降って地固まるという
不思議な展開を見せるCM。
おかんも赤ちゃん無事出産出来たんならいいじゃない。
ガソリン無くたってなんとかなるわ、と
思えてしまう不思議なCMです。
製作者とすればほんとは
「間に合わず母子ともに天国へ」というのが
効果的だと思ったんでしょうけど、さすがに躊躇したのかもしれません。
旦那の泣き笑いの意味がわからん。





もしもシリーズ・もし紙がなくなったら…?(1974〜5年ごろ?)

こちらも60秒版と30秒版があったと記憶しています。
バックには淡々としたBGMが空気のように漂ってました。

チャイムとともにコマーシャル開始。
学校。先生が生徒を前に言う。
「皆さん宿題はやってきましたかー?」
「はーい。」
「じゃあ、宿題を見せてくださーい。」
児童が服を捲り上げる。
胸から腹にびっしりと宿題が。
「サッちゃんはマル。」
「ケンジくんもマルっと。」
「ヤスオくん!何ですか君は
忘れたりして!立ってなさーい!」
ハダカのまま
廊下に立たされるヤスオくん。
寒さでついに風邪をひく。
「は…は…あへっくしょ!」
半泣きで凍えながら少年は叫ぶ。
「なんか…なんかが無いからだよぉ!」
(紙という物質が失われて
相当経過してるようだ。)
ナレーション
「もし紙がなくなったら大変です。」
紙を大事にしましょう。

なんで肌に書く必要が?
記録とか残せないじゃない。などという
野暮なツッコミは公共広告には通用しません。
あくまでも極端から極端を描写して
啓蒙するのが狙いなので理不尽で何が悪い、と言わんばかりの作りです。
ヤスオ君はおそらく生まれてこの方
紙なんて見たこともない世代と推測されます。(セリフから)
じゃあトイレットペーパーや新聞雑誌は…?
だから、野暮なツッコミは通用しないのが公共広告。



てなわけで、今回三本復刻してみました。
あと数本覚えてるものもあるんで、
反応あったら作ってみたいかも。
それでは次回。



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