看板


カレーの嫌いな日本人っているのだろうかと思えるほど国民食として定着しているカレー。
一人用のレトルトパウチはホント種類がぐわんと増えました。一方、
鍋でコトコト煮込むルータイプは手間も暇も要るので、
なかなか最近食えておりませんが。
そんなわけで今回はこちらの御題。



カレールゥの噺



うだうだ子ちゃん。ガキの自分、ルータイプのカレーは基本おかんチョイスの代物が中心でした。
女性は基本辛いのがお好きで無いようで、たいがい甘口カレーばっかし。
ガキが背伸びして「辛い本格的なカレーが食べたい」といっても
おかん曰く「辛いの食べたらアホになる!」と怒鳴ってましたっけ。

今思えばオモローな言い訳ですが、食えたもの、食えなかったものも含めて
思い出に残るカレールゥをご紹介。










ハウスバーモントカレーハウスバーモントカレー
まさに「オカン好きするカレー第一位!」の象徴的商品。
1963年販売開始。
バーモントの名は、米国東部の長寿で有名なバーモント州に
民間療法として伝わる
りんご酢とはちみつを使った「バーモント健康法」に
ちなんだものだそうです。
当初から「辛くないカレー」を売り文句にしていまして、
「甘いカレーなんか誰が買う!」と、当初は社内から
猛反発食らったそうですが、
蓋を開ければ大ヒット。
主婦と子供という購買層にがっつり食い込む格好となり、
増産体制が間に合わず品切れの状態が続いたほどでした。

西城秀樹や河合奈保子のコマーシャル効果も手伝って、
今尚家庭の常備品のひとつとして
受け入れられ続けているメガヒット商品です。




ハウスジャワカレー ハウスジャワカレー
南の島ジャワのイメージにふさわしい
爽快な辛さと刺激のある味わいの
大人向けのカレーとして1968年に登場。
ハウスルウカレーの中で一番辛いカレーとして、
辛党の購買層に受け入れられています。
ジャワ島でロケを行い、海辺で夫婦が食べるCMは
この商品のシンボルとして長年にわたり展開されました。
千葉真一や伊丹十三が特に印象深いですね。




ハウス印度カレーハウス印度カレー
ハウスがそれまでの粉末顆粒カレーフレークタイプ(即席ハウスカレー)から
脱却して、固形ルゥタイプに切り替えた 最初のカレー。
発売は1960年。辛さはジャワとバーモントの中間に位置します。
どういうわけか合宿やキャンプとかでは、
この印度カレーの出る率が高かった気がするのですが。








グリコワンタッチカレーグリコワンタッチカレー
1960年代序盤までは、カレーといえばカレー粉の粉末か、
包丁で削って使う大きなブロック状のルウが一般的でした。
そんな中、薄いプレート状で融点を高くし、
そのまま鍋に入れても1分半で溶けるという
文字通りの「ワンタッチカレー」は、
手軽さとおいしさで話題になり大好評になりました。
この手軽に溶けるプレートルゥは
その後の家庭用カレールゥの雛形になり、
以降30年近くにわたってスタンダートとして定着。
現在は一般流通は終わりましたが
グリコのアンテナショップ「ぐりこや」限定商品として
購入が可能です。




オリエンタル即席カレーオリエンタル即席カレー
今尚中京地区で売り続けられている歴史的商品。
オリエンタルの創始者である星野益一郎氏が
軍隊食であったカレーが家庭科理として
普及しつつあることに着目し、
その料理方法をより簡単にする商品を
作れば売れると考え、炒めた小麦粉に純カレー粉を
あらかじめ加えて、いつでもどこでも
手軽に使える粉末状のインスタント・カレーフレークを完成させ、
オリエンタル即席カレーとして商品化したのです。
フレークタイプなので
ドライカレーやカレーうどんにも重宝する逸品。
オリエンタルマースカレー その後、1962年にルゥに別途で
チャツネチューブを同封した「マースカレー」を販売。
流行語にもなった「スナックカレー」など、
次々と意欲的な商品を販売しています。
オリエンタルは半練タイプか粉末タイプが主流で、
固形ルゥを殆ど手がけないという ポリシーを
貫いている会社で、それは今も変わっていません。
固形ルゥを固形化する 硬化油が
人体の健康上好ましくない、というのがその理由だそうで、
自然な食品つくりを目指す
オリエンタルのこだわりが見てとれます。




S&BゴールデンカレーS&Bゴールデンカレー
1973年に販売が開始された
高級プレミアカレーの先駆け商品。
本格スパイスをふんだんに使い、
パッケージも初期のものは「黄金」と「太陽」を
イメージしたゴージャスなものにされていました。
パッケージこそ変わりましたが
今尚高級カレーの始祖的作品として存在。
後に続く「ディナーカレー」「フォン・ド・ボー ディナーカレー」の
雛形となった商品です。




明治キンケイインドカレー明治キンケイインドカレー
最近でこそ「銀座カリー」のヒットで
「高級レトロ洋食系」のスタンスを築いた明治のカレーですが
元々は金鶏ブランドを頂いた
各種のカレールゥを販売していました。
昭和30年代に子供時代を過ごした方には
「キンケイミルクカレー」なども印象深い商品かも。
こちらはキンケイカレーのフレーク版(業務用)。
一般用にはコーンフレークのような箱に入って
売られていました。フレークタイプなので
ドライカレーなどには重宝しました。辛さは控えめ。







S&Bサンバード ビーフカレーS&Bサンバード ビーフカレー
もともとは1970年に
S&B初のレトルトカレーとして製作・販売した
「サンバードチキンカレー」が元。
現在は販売されていないところから、売上的には
ライバル社の製品には及ばなかったものの、
本格的な味が注目を浴びたので、
それを業務用に、具もビーフにして
新たに作り直したのが本商品。
業務用カレーとして大好評となり、
喫茶店やスナック、ドライブインなどで
多く使用されることとなりました。
レストランや喫茶店の厨房で
サンバードカレーの赤い缶を見かけた人も多いと思います。
まさに、「昔食べた喫茶店のカレー」それは
多くがS&Bサンバード ビーフカレーだったのです。




メタル印度カレーメタル印度カレー
キャッチコピーは「海のむこうのインドカレー」。
関西人にとってみればターバン巻いた黒人が
空飛ぶじゅうたんにのるアニメCMは
忘れられないインパクトを持って刷り込まれているハズ。
そのメタル印度カレーは1952年創業のメタル食品工業が発売開始。
その後、諸事情で同社が1985年に破綻し、
関連企業のメタル食品が事業を継続し、
販売を継続しました。が、バブルの崩壊、
大手メーカーの台頭などによって
次第に経営が悪化。神戸北野亭のブランドとコラボしたりしましたが
巻き返しには至らず、 ついに2008年に倒産。
56年の歴史に幕を下ろしました。

その後、大同という会社がこの商品を
受け継ぎ、「大同インドカレー」として販売。
(メタル、は企業名なので商品名に使えず)
今でも関西圏のスーパーなどで販売しています。




S&Bモナカカレー
1959(昭和34)年にエスビーが発売した画期的商品。
モナカの中にカレー粉を詰めるという一見奇をてらった
ような商品ですが、さにあらず。粉末をいちいち調合する必要も、
固いカレープレートを包丁で削る必要も無い
(当時はそんな時代でしたから)。
おまけにモナカは湯に入れると溶けて
トロミになるというアイディア商品で、
袋からモナカを取り出し、手で二つに割って鍋に入れるだけという
調理法の手軽さもあって、大ヒット。
立川談志出演のTVCM効果もあって、一気に家庭に普及しました
…が、包装紙のスキマから虫が侵入し、モナカ部分を食害するという
事故が発生。これが原因で商品は発売中止となってしまいました。
大ヒットしたにも関わらず、商品が市場に出回ったのは1959〜61の2年足らず。
今では味わうことの出来ない幻のカレーです。







他にも勿論たくさんのカレーが御座いますが、
個人的に食べた物ということで縛ってあるので
こんなラインナップと相成りました。
レトルトパウチのものとなるともう収拾付かなくなりそう。

次回は何しようかな。
なんかやります。
ではでは。



戻る  過去ログ  

inserted by FC2 system